植物の板付け
観葉植物は基本的には植木鉢に植えて管理することが多いと思います。
板付け管理とは、普段樹上性などの何かに活着している植物を板などの物に貼り付けて管理する方法のことを言います。
人工的でインテリア性が高いですが、もともとの生息状態に近いことから植物にとってもいい状態であると考えられます。
特にコウモリラン(ビカクシダ)は現地では樹木の高い位置に張り付いて育っている植物で、板付けにはピッタリな植物です。
かっこいい板に板付け植物が成長するとハンティングトロフィーのような様子になり、インテリア性の優れる素晴らしい様になることでしょう。
板付け用の板
基本的に板状のものならば何でも付けることが可能です。
コウモリランの場合、根腐れしやすい種類も多く通気性があった方が良いとされており、ヘゴ板に付けるのも良いとされています。
今回付ける板
コウモリラン専用の板を制作しているIMAMAさんで専用の板を購入してみました。
出典「IMAMA」
値段は多少高いですが、とてもおしゃれで細部までしっかり作られているので満足度が高いです。
自分でも作ることはできそうですが、ここまでのものを作るには非常に手間がかかるので買って損はないと思います。
様々な形があり色も3種類から選択できるので気に入ったものを選ぶことができます。
レギュラーの商品以外の形もオーダーでお願いできるようです。
今回私が購入した板はこちらになります。
オモテ面
盾形の形に色はダークブラウンを頼みました、おそらくBRIWAXの様な蜜蝋ワックスで着色されているのだと思います。
家に到着した最初は燻したようなワックスの匂いがありましたが、3日程で気にならなくなりました。
植物を付けやすいように多数の小さな穴が空いています。
植物を付けることになる中心部には通気性を確保できるよう大きめの穴が空けられています。
また中心の穴はペットボトルの口の大きさになっており裏側から水苔等の植物の土台部分に直接水をあげられるようになっています。
デザイン的には側面はしっかりと角が出ていて、穴にバリもなくとても丁寧な仕上がりです。
ウラ面
裏も同様に着色されています。穴の一つ一つまでしっかりと着色されており、製作者のこだわりを感じます。
良いものは細かいところまで手がかかっていると再認識しました。
上部には紐を通す穴が4箇所、真ん中に釘で引っ掛ける事ができるように金具が取り付けられています。
今回板付けする植物
前々から欲しかったビカクシダを買ってきました。
こいつをかっこよく仕立てたいと思い、板を買った運びです。
その名もPlatycerium elephantotis:エレファントティス
コウモリランというより、もはやダンボですね。
アフリカ原産のビカクシダで、うまく育て上げると垂れ下がる胞子葉が象の耳のように立派になる種類です。
見た目がド~ンて感じで、とにかくダイナミックなところに惚れたわけです。
板付けの方法
ここでは私の板付け方法をご紹介したいと思います。
水で戻した水苔を土手のように丸く周りにセットし、売っていた鉢から取り出したビカクシダをそのまま真ん中にセットします。
丸い形になるように足りない部分を水苔で埋めるようにします。
どのくらいの大きさにしたいかイメージをしながら作業すると良いと思います。
その際に表面の傷んだり汚れている水苔は取り除いてしまいましょう。
私の場合は何か虫の卵など変なものを持ち込むのが嫌なので表面の水苔はなるべく剥がし、中にはいっていたベラボンという椰子の実チップも出来るだけ取り除き熱湯消毒してから再利用しました。
根を痛めるのは良くないので表面部分のみにした方が良いと思います。
エレファントティスは水はけの良さがポイントになってくるようで、土台は水苔ではなくベラボンが適しているとのことです。
形ができたら釣り用のテグスやミシン用の細い紐などで水苔の周りをグルグルと巻いて一つの塊になるようにします。
紐が細いほうが目立たないです。
糸は数回に分けて巻くと、1本が緩んでも保険があるので安心できるかもしれません。
この時点ではまだ植物と板はくっついていません。
この後水苔などと一つにまとめられたビカクシダと板をくっつけていきます。
丈夫なステンレス製の針金やビニタイを板に空いている穴から裏へ通して固定していきます。
ステンレス製の針金は100円ショップで買うことができます。
ビニタイはAmazonなどでロールで売っているので家にあるとなにかと便利です。
植物が大きいものでも5箇所ほどしっかり止めれば落ちないと思います。
小さくて軽いものなら3箇所ほど止まっていれば問題無いと思います。
そのうち植物が板に根を張ったり、貯水葉が巻き込んで板にしっかりと活着してくれます。
板を後ろから見るとこの様な状態になります。
力のかかる下部を丈夫なビニタイなどの太いものでしっかりと固定するのがコツですね。
私は固定している紐が目立つのが嫌なのでこの様な方法をとっていますが、貯水葉が成長すれば隠れてしまうので麻ひもなどでグルグル巻きにしても問題ありません。
むしろそのように板付けしている人のほうが多いと思います。
完成したものがこちらになります。
板のかっこよさもあり良いですね。
良い感じに水苔も盛れたので、ここから貯水葉を展開して包んでくれたらとても美しくなるのではないかと成長が楽しみになっています。
緑色の象のハンティングトロフィーの様になってくれることを願います。
まとめ
今回はビカクシダを板付けで壁にかけて植物を管理する方法を紹介しました。
ビカクシダに他にも着生蘭やエアープランツなど板付けで管理できる植物はあります。
目線の高さにあるので観察しやすく、インテリアとしても良いので非常にオススメです。
壁に緑が欲しいなと考えている方は是非試してみてください。