登山におけるリュックとは
登山三種の神器のうちの一つ。ザック、バックパックとも呼び荷物を入れて担ぐための道具。説明する必要もないですね。
登山を始めようと思ったら最初に購入を考えるものでは無いでしょうか。今回は登山リュックの選び方に関して書かせていただきます。
基本的には必要な大きさで選択します。登山のリュックは大きさ(容量)をリットルの単位で表して売られています。
これまでの登山の知識だと日帰りの場合は30リットル位、小屋泊で40リットル、夏季テント泊の場合60リットル、冬季テント泊の場合80リットル以上と言われることが多かったと思います。
しかし近年道具の軽量化などにより荷物の重量、体積がともに減っているために以前よりも小型のザックでも対応できるようになりました。
大は小を兼ねるという言葉もありますので大きいものを買うという考え方もあると思いますが、むしろ無駄なものを持っていかないのが経験者という考え方もできると思います。
ファストパッキングスタイルによるサイズの変更
ファストパッキング、ウルトラライトスタイルに関しては以下の記事で説明させていただきました。
これにより大幅にザックの大きさが小さくても登山が可能になりました。日帰りなら15リットル、夏季のテント泊も30リットルで行くことができます。
実際私はそのくらいのサイズのザックを愛用しています。
このファストパッキングの考え方によって、ザックの作り自体も変化してきています。特にガレージブランドが続々と誕生し始めたここ5年くらいで飛躍的に変化が起きていると思います。
まずザック自体が軽量化されています。使っている素材の変更、ノンフレーム化などにより従来のリュックの半分以下の重量のものも出てきています。これまでの30リットルのリュックは1キログラムを超えるのが普通でした。しかし最近のものは400グラム程のものもあります。
しかし軽量化するために薄い素材を使用することによりリュック自体が脆くなっているとも言えますのでそこは兼ね合いになります。
また、従来の登山リュックは重いリュックを丈夫でしっかりしたウエストベルトを利用して肩と腰の2点で背負うのが普通でした。
しかし新しいザックには亀の甲羅のように背中の上の方で背負うスタイルのリュックが出てきました。荷物を軽くすることによって可能となっており、腰を使わず背中の上部で背負うスタイルです。重量が8キロ以下だととても調子が良く背負うことが可能で肩が痛くなることもありません。リュックに背中から抱きつかれている感覚です。
自分が背負っているというよりリュックがぶら下がってくれている様な。。。何を言ってるのか分からないでしょうが、そうゆうことなんですね。
オススメの登山リュック(ザック)
ここでのオススメは入門編ということで30リットル前後のリュックを対象とさせていただきます。
日帰り、小屋泊、経験を積めばテント泊まで可能な大きさになるので汎用性が高い大きさのリュックと言えるでしょう。
そこから自分のスタイルに合わせて色々なサイズのリュックを増やしていただければと思います。
TRAIL BUM Bummer
トレイルバムとはウルトラライトな登山スタイルを日本に広めた一人の土屋氏が監修しているアウトドアブランドです。
元々アメリカのスルーハイキングの文化からきたファストパッキングやウルトラライトのスタイルの考えに忠実なシンプルな道具を生み出しているブランドです。シンプルでオリジナリティが無いのではなく、シンプルさこそウルトラライトスタイルでのオリジナリティという事ですね。
バマーはその中の30リットルのモデルになります。
現在ノーマルとSpectraの2種類があります。2つの異なる点は使っている素材が事なり、Spectraの方が丈夫な繊維の素材を使用しています。その代わり重量に違いが出ていて、ノーマルの重さが370グラムでSpectraが430グラムとなっています。
どちらにせよ非常に軽量です。少し調べればわかると思いますがこの軽さは異常です。
背中の上で背負うリュックでウエストベルトはありません。肩と背中で支えますが、クッション性のある太く作られたショルダーハーネスは肩に食い込まず痛くなりません。
小物などを格納するポケットがありません。スタンダードな登山リュックにはウエストベルトに収納があり軽食や小さいものを収納することができます。この辺はウルトラライトスタイルよろしくサコッシュを使用しましょうということでしょう。
オススメできる点としては、入手性の良いところと価格がガレージブランドにしては比較的安価という点です。
ガレージメーカーの中でもザックで有名なものに山と道やアトリエブルーボトルなどありますが、これらは入手性が非常に悪いです。
イベントなどでしか入手することができません。また価格も一つ一つ手作りの為マスプロダクションのものに比べ高めとなっています。
容量的にも日帰りで使用して経験を積んだらテント泊にもステップアップできるリュックだと思います。
出典「BAMBOO Ville」
私もバマーのSpectraを愛用しています。
夏場のテント泊は基本これでいきますがとても快適です。
使いにくい点を挙げるとすれば、耐久性のために採用したとされる背面ポケットのメッシュに伸縮性が無い点でしょうか。私はテントを撤収した後結露したテントをザックに入れたくないので、背面メッシュポケットに突っ込みます。そうすれば歩いているうちに乾くので。その際にポケットにマチがあまりなく伸縮性も無いので非常に入れにくいです。
不満といえばその程度で、ウェストベルトが無いことなど全く気になりませんし非常に気に入っております。
下の写真は分かりにくいですが実際に使用している写真です。(リュックが写っている写真がほとんど無かった)各所にコードを通すループも付いているのでカスタマイズ性もあります。私はリュック下部にバンジーコードを通してスリーピングマットを付けられるようにしています。
モンベル バーサライトパック30
登山でおなじみのモンベルさんのリュックです。モンベルは品質が高く登山用品にしては価格も抑えめにしているジャパニーズ登山者の味方ですね。
安定志向のモンベルのバーサライトパックはモンベルらしからぬ尖ったリュックだと思います。容量30リットルで重量なんと605グラム。
スタンダードな登山リュックとしてはとても軽量だと思います。その軽量さにマスプロダクションゆえの安心感・低価格・入手のしやすさの三冠王、コストパフォーマンス抜群のリュックだと思います。
別にリュックとか何でも良いというこだわりの無い人には無責任にオススメできる一品です。
ウェストベルトのある肩と腰で支えるタイプで背負やすさは間違いないでしょう。モンベルショップはあちこちにあるので直ぐに試すことができます。とりあえず背負って感覚を試してみても良いでしょう。
色も3種類あるので好きな色をチョイスすることができます。30リットルあるので経験を積めばテント泊にも使うことができます。
ただ、軽くするためか薄い素材を使っているので、尖ったものでひっかくなど傷には気をつけたほうが良いかもしれません。
出典「mont・bell」
終わりに
この記事では新しい登山のスタイルとしてファストパッキングやウルトラライト志向のリュックを勧めています。
実際に私も以前はスタンダードな登山スタイルでした。両方経験した結果、ファストパッキングのスタイルに良さと可能性を感じているのでここでオススメさせていただきました。
このスタイルに納得いかない方もいると思います。
それを否定するつもりも全くありませんので、カリマー、オスプレイ、グレゴリーなどのマスプロダクションの実績のあるリュックを選ぶのが良いでしょう。
リュック、ザックというものは登山における相棒のようなものです、納得のいくものを探して山に向かっていただければと思います。
今回紹介させていただいたものも1つの選択肢として参考にしていただけたら幸いです。