登山靴とは
登山三種の神器の一つで普通に登山の時に履く靴のことです。
ガチガチの革靴のようなものをイメージするかもしれませんが、近年装備道具の発達・軽量化によりそこまで大げさでない靴が選択肢に入ってくるようになりました。
ファストパッキングやウルトラライトハイクというスタイルが提唱されているように自分の責任で装備を考えチョイスの選択肢が増えている事は良いことです。知識を付けて自分に合ったスタイルを見つけましょう。
もちろん行く場所や季節によってはしっかりした重登山靴を選ぶ必要はありますので注意してください。
ファストパッキングとは
軽い荷物を持って早く移動し遠くまで到達するハイクのスタイルです。
個人的にはウルトラライトと同じ意味のスタイルだと考えていますが、こちらの方が好きな呼び方です。
このスタイルで勘違いしてほしくない点は、荷物を軽くするというのは、我慢して装備をけずったり、道具の保険を無くして危険性の高い登山をすると言ったスタイルではありません。自分のこれまでの登山の経験によって道具の取捨選択をする、その選択した道具を軽いものにするスタイルだと私は考えています。
決して遭難しなければ必要ないから持っていかないという考えではありません。常に最悪を考えて道具を選ぶべきです。
具体的な例でいうと、日帰り登山の場合替えの靴下を持っていかないなどの小さな選択の積み重ねです。濡れたとき用に替えの靴下を持っていっても靴下が濡れているということは靴も濡れています。靴下だけ交換しても意味がありません。靴の方が乾き辛いので、靴が乾くなら靴下も乾きます。
道具で言えば、テント、寝袋、コッヘル、食料など技術の進歩で前に比べて軽い商品が出てきています。重さの変わらないものは水くらいだと思います。
その季節によって適切なムダのない道具を選んで山に入る経験と想像力を必要とするスタイルだと思っています。
種類別オススメの登山靴
トレランシューズ
厳密に言えば登山靴ではないかもしれません。ランニングシューズに似ているローカットの靴です。
しかし荷物が10キロ以下の場合で無雪期の登山には私は一番適していると思います。
上で書いたファストパッキングのスタイルだと持っていく荷物も軽くなります。実際私は夏の北アルプスのテント泊にもトレランシューズで行きますが何も問題はありません。
トレランシューズの重さは種類にもよりますがほぼ200グラム前後ですが、それに比べて普通の登山靴の重さは600グラム位です。
考えてくみてださい片足400グラム近く重いのです。トレーニングに使うパワーアンクルが大体500グラムからです、それを付けて歩いている事とあまり変わりません。
その軽い重量からくる足さばきの軽さはスニーカーとあまり変わりません。
スニーカーと違う点はソールにストーンガードが入っており下からの石などの突き上げを感じません。
また、ビブラムソールなど登山靴に使われるソールを使っている靴があります。
悪いところが無いわけではありません。
- 防水でない
防水でない点に関してはそこは仕方がないと割り切るしかありません。
夏の晴天時渡渉などで濡れた場合すぐに乾きます。乾きやすい点が利点でGORE-TEXなどを使っている登山靴は基本的に中が濡れたら何日か乾きません。
あと、実は防水のトレランシューズもあります。ローカットなのでどこまで意味があるかわかりませんが。 - ローカットである
ローカットの為石などが入ってきやすい。これも仕方ないです。脱いで出しましょう。
登山靴に比べ脱ぐのも簡単です。それも嫌な場合はゲイターを付けましょう。そして実はハイカットのトレランシューズもあります。
ローカットによる足首を捻りやすいという問題については最近の研究でカットによってあまり関係がないと言われています。
バスケットのシューズも捻挫しないようにハイカットのシューズばかりでしたが、最近ではローカットが主流のようです。 - 柔らかいため石にぶつけると痛い
これも仕方ないです。靴のの軽さを生かしたフットワークで石などにぶつからないようにしましょう。 - クライミングゾーンが無い
クライミングゾーンとはアルパインブーツなどについているつま先のソール部分です。岩場などで1センチしか足をかける場所がなくてもこれがあると安定して立てます。
その様な場所に行く場合は適した履いていきましょう。 - 防寒性がない
これも仕方がありません。冬は冬靴を履きましょう。
私はこの様なマイナスを含めてもトレランシューズを一番オススメします。
軽い靴を履いているとどこまでも歩いていける気分になります。
ALTRA オリンパス
ALTRAはアメリカのシューズメーカーです。
「ヒールストライク(かかと着地)を軽減し、自然な走り方ができるシューズ」を提言しゼロドロップというつま先とかかとの部分の高さに差を付けない靴を作っています。元々人は裸足で歩いていたのだから傾斜のある靴は体に負担がかかるだろうという考え方ですね。
また、ALTRAのシューズにはトゥーボックスという構造になっており、つま先部分を広く取り指を開いたリラックスした状態で履ける作りになっています。
モデルの後についている数字は大きいほど新しいモデルになります。モデルチェンジするたびに少しずつアップデートされています。
その中のオリンパスというモデルです。ビブラムメガグリップラバーというソールを使用していて優れたグリップ力を発揮します。
また、ソールに厚みがあり足に優しいです。重さは300グラムとトレランシューズの中では少し重いです。
私も無雪期はこのオリンパスの古いモデル(2.0)を4年間履き続けていますが何の不満もありません。
買い換えるときもこのモデルにしようと思っています。
アルトラOLYMPUS 3.5 M (オリンパス 3.5 M)
出典「ラリーグラス楽天市場店」
ALTRA ローンピーク
オリンパスと同じALTRAの代名詞と言われるトレランシューズです。尖ったところのないバランスの取れた靴です。
トレランシューズを試したことのない方はまずこちらを試着してみてはいかがでしょうか。
ALTRA – LONE PEAK 4.5 (Men’s) [ アルトラ メンズ ローンピーク ゼロドロップ トレイルランニング ハイキング シューズ ]
出典「Sokit 練馬」
ミドルカットのローンピーク
ローンピークにはミドルカットのモデルもあります。eVentという防水透湿素材を使っており防水のモデルになります。
しかしトレランシューズと言うにしては、重量もありこれを選ぶなら普通の軽登山靴で良いのではと思ってしまいます。
ALTRA-アルトラLONE PEAK 4.0 MID RSM ローンピーク
出典「ALASKA MOUNTAIN STORE」
ハイキングシューズ
友人、知人に登山に誘われ靴が必要になったが、そのまま登山を続けるかは分からない場合ってあると思います。
登山靴までは行かないが、アウトドアに使用でき普段遣いもできるような靴があります。
高尾山や金時山、北アルプスの乗鞍岳など4時間以内の日帰り登山ならこの様な靴で十分だと思います。
ローカットですが防水でスタイリッシュ。テント泊や岩場の多い山などはやめた方が良いと思います。
スカルパ MOJITO
スカルパとはイタリアの有名なアウトドアシューズメーカーです。重登山靴まで作っていてどの靴も信頼できます。
その中のMOJITOはアプローチシューズやクライミングシューズに分類されるローカットシューズです。
ビブラムソールが採用されておりグリップ力も申し分ありません。防水ではないので気をつけましょう
。よりトレッキングに特化したミドルカットのタイプもあります。カラーバリエーションも11種類あり自分に合った靴を選べるでしょう。
出典「ロッジ」
KEEN JASPER
KEENというアメリカのアウトドアブランドのシューズになります。
天然皮革スエードが採用されていて一応防水になります。
ただ、雨の日は滑るしローカットなので普通に浸水すると思います。晴天時の電車で軽いハイキングなどに向いていると思います。
また、普通にスニーカーとして使い勝手の良いシューズになるでしょう。
キーン ジャスパー KEEN Jasper メンズ スニーカー シューズ 靴 トレッキングシューズ アウトドアスニーカー <2020 春夏>
出典「OutdoorStyle サンデーマウンテン」
軽登山靴
普通のミドルカット以上、防水の登山靴のことです。ソールも各社それぞれ独自のものを採用しています。
登山靴というのはスニーカーと違い硬いので、自分の足に合う合わないがあります。是非登山用品店に行ってためし履きをして選んでください。
登山靴はデザインは関係なく目をつぶって履いている感覚で選べと言われています。
また、登山の時に使う靴下を履いて試し履きするのも重要な点です。山の上で靴が合わなくても交換できません。
購入する時に妥協の無いよう登山用品店の店員さんとよく相談して購入することをおすすめします。
登山用品店の主な有名所は石井スポーツ、カモシカスポーツ、好日山荘などです。
合う靴は人それぞれ違うので、オススメのモデルを挙げるのも違う気がしますが、選ぶポイントも含めて参考までに。
ノースフェイス トラバース ファストパック ミッド GORE-TEX
みなさんご存知のノースフェイスの登山用シューズになります。アパレルやハードシェルで有名なノースフェイスですが靴は作っていませんでした。10年ほど前から靴にも参入し毎年のようにアップデートが繰り返されています。
現在では厳冬期の冬靴までラインナップされ高い評価も得ています。
トラバースファストパックは厳冬期を除くスリーシーズンで使用できる靴です。GORE-TEXを使用した防水だけども蒸れない構造に、ソールはビブラムのメガグリップが採用されておりグリップ力も申し分ありません。
重さも400グラム程と軽量でなお重登山靴に比べて柔らかく履きやすい。厳冬期以外のテント泊も十分可能で新しい時代の登山靴だと思います。
出典「登山用品とアウトドアのさかいや」
重登山靴
3シーズン用や厳冬期の冬靴も含めます。ソールが硬くアイゼンの着用も可能なモデルです。
ちょっと今回のテーマの入門とは外れてしまうので機会があれば別の記事で書きたいと思います。オススメなどなく自分で履いてみて決めるべきです。
まとめ
時代は変わっていると思います。近年の道具の軽量化の流れもあり登山スタイルも変わってきています。
しかしながら、ここで記したのはあくまで私の個人的な考えなので、今まで通りの硬派な登山スタイルを否定する気は毛頭ありません。
道具に愛着が湧くように自分に合ったものを妥協することなく選んで納得して山に向かってほしいと思います。